最低賞を総なめにした派手でエログロな問題作!
いわゆるカルト映画って何から何までいろんなタイプの映画があるんですけど、この映画は初めて観た時とても強烈に焼き付いていた映画です。
当たり前のように裸になって踊るシーンの連続からダンスしながら座ってる男性と本当に交わっちゃってるようなシーンがインパクト抜群だった記憶があります。
ジーナ・ガーション演じるトップダンサー・クリスタル・コナーズは顔はシンディ・クロフォードっぽい(時代的にもメイクかなり意識してる?)のですが、ステージでの姿はなんとなくディタ・フォン・ティースを彷彿とさせるダンサーでした。
ディタもヌードで踊ってますしね。
そのクリスタルが、はるばるラスベガスにやってきたヒロイン・ノエミに無理難題をホイホイ吹っ掛けます。
その流れがなんともサバサバ、バッサバサと進んでいくんですけど、セックスアピールがいちいち過激・過剰なんですよねえ。
ここまでやるか?っていう。
ラスベガスのショーって豪華だけどあんなにも過激で下品なの⁈と思わず目を見張ります。
トップレスラウンジ・チーターのママであるヘンリエッタ(マツコっぽい見た目)が「嫌になるわ。日本人の客が来るって。」なんて話しているシーンもありましたけど・・・あの日本人役はみんな日系人とかアジア系の俳優なんでしょうかね?
日本人客の言う「アメリカ人はめっちゃスケベでちょっとこれはいかんなあ」を通訳がザックに「アメリカ人は皆産婦人科医だと」と訳していたりして。
今はあんまりなさそうですけど、あんなビジネスマン達が海外に行ったりとバブリーな時代もありましたね。
アカデミー賞前夜に行われる、ワースト映画を選出するラズベリー賞(通称ラジー賞)では1995年の作品賞・監督賞・脚本賞・音楽賞・最低女優賞と最低新人賞のW受賞を見事?果たしたという素晴らしいエピソードつきです。
めったにないでしょうね、これほどまでの総なめは。
オッパイ丸出しがそんなにいけないんですかね?
個人的に音楽はワーストの部類ではないと思うんですけどねぇ。
挿入歌じゃなくてダンスシーンの曲がダサいと思われたとか?
ノエミを演じる エリザベス・バークレー (Elizabeth Berkley) は子役から映画界にいて、なんと178センチもあり、すごいメリハリボディで美人ですが、この作品でも評価されず、一時期行方不明になったこともあるということです。
美人でスタイル抜群でも、こういうタイプってアメリカの映画界では案外量産タイプで埋もれちゃうのかもしれないですね。
で、挑発的なクリスタルが恋人であるカイル・マクラクラン演じる興行主のザックと“プライベートダンス”を踊れとノエミに命令するわけですが、要するに目の前でヤッてみろということです。
いろんな意味でイッちゃってる映画の怪しげな魅力がこのシーンで炸裂し、本作品の最大の見せ場であると思います。
ザックはソファに座ったままでノエミがパフォーマンスしながらアレコレするという、なんだかゴージャスな風俗みたいな状況なんですけど、女同士の挑発し合いが鬼気迫る勢いで感じられます。
華やかなステージの裏側は・・・
ショーのオーディションというのもまたプロデューサーの気まぐれで落とされていくとっても理不尽な世界です。
「“嫌な奴”と呼ばれてる」と自称するプロデューサー・トニーが「このオッパイを見ろ。まるでスイカだ。ここは畑じゃないぞ、失格だ」とか、鼻を整形して受け直しに来た女性に「鼻は良くなった。だが耳が突き出てる。整形して出直せ、失格」とか、「童顔に用はない、失格」とか、たくさんレッスンの授業を受けたという女性に「ショーに授業は関係ない、失格」みたいな具合で一瞬で落とされます。
かと思えばショートヘアの女性に「カツラをかぶれ」とか別の女性には「MGMを後ろから読め」と言って合格にしたり、気まぐれなもんです。
ノエミは「嫌な奴を見に来ました」なんて生意気なことを言うんですけど、武富士ダンスみたいなのにも合格し、終始オーラを発し、のし上がっていきます。
けど、受からなくても理不尽、受かっても理不尽な世界の描写は続いていきます。
用心棒ジェームズにダンスレッスンを受けながらかなり密着され体の関係になりそうになったり(生理中だからと血を触らせたり)、プロデューサーに売春を持ち掛けられそうになったりするノエミはザックの優しさに惹かれ一線を越えるのですがそれがまたクリスタルの嫉妬に火を注ぎ・・・
クリスタルは終始あまり感情を出さない余裕のある女性のように描かれていますがノエミに対して隅に置けないと戦々恐々しつつも彼女の才能とオーラに興味津々なのでしょう、個人レッスンでキスしてこようとするクリスタルを「アバズレ(Bitch)」といって振り払って逃げるノエミでした。
煌びやかで完璧なショーのシーンに、🔃女⇒男⇒肉体⇒セックス⇒ダンス⇒エゴイズム⇒嫉妬⇒喧嘩⇒コカイン(薬物)⇒犯罪⇒暴力⇒枕営業🔃みたいなローテーションが常にくっついてくるみたいな内容ですので、全裸になって✖✖して▲▲して云々…なんて描写はこの映画では取るに足らない問題です。
もう一瞬で脱いで秒速でセックスするのを繰り返すトライアスロンみたいなもんです。
ブロードウェイのダンサーやパリのムーランルージュなんかより、もっともっと過激で理不尽な世界なんでしょうね。
セクハラ・肉体接待・ドラッグなんかは以前からそういう世界では当たり前だと思っていましたが、それでもMee Too騒動とかありましたし、ジャニーズの性被害問題も本格的に露呈したりとここ最近の動きは変わってきてると思ってましたけどね、いかんせん30年位前の映画ですから人権無視で前時代的なところがまだ目立ちますね。
でもビジュアル的には毒々しい、ケバケバしいながらも出演者もファッションも美しいので、楽しんで観られる部分も多いです。
トニーに「オッパイ出して乳首を立たせろ!氷で刺激しろ」「俺は勃ってる。なぜ君は立たない」なんて言われながらセクハラされてブチ切れるノエミですが、ジェームズとの絡みのシーンでは本当に立たせてますね。(((^_^;)
ほんとにオッパイオッパイオッパイなんですよこの映画。
後姿のTバックのお尻もみんな迫力ありますけど。
表情一つ変えず肉体営業迫ってくるプロデューサー達も怖いですね。
たくましすぎるヒロイン
オランダ出身の監督 ポール・バーホーベン(Paul Verhoeven) はシャロン・ストーンの代表作「氷の微笑」の監督です。
この映画のエリザベス・バークレーと「氷の微笑」のシャロン・ストーンってなんとなく似て見えますから納得です。
シャロン・ストーンが足を組み替えるシーンでノーパンのなんちゃらが見えたとか90年代前半に超絶セクシャルな映画として有名になりました。
「ショーガール」はその「氷の微笑」のセクシャルさのみをもっと(下品に?)極めた作品といっていいでしょう。
しかし、ただの安っぽいエロティック映画もどきと違うのは、ダンスシーンが徹底的にプロで圧倒的にゴージャスなところです。
瞬間湯沸かし器のように気性は激しいのですが後腐れのないサパカパっとした性格のノエミは暴力事件を起こしたアンドリューに報復したのち、マネージャーのモリーや既に引退を決めていたクリスタルやベガスでのショーの世界に別れを告げます。
この映画、前半と後半で映画の雰囲気が違っていて後半は祭りの後のようにテンションが下がり妙にシリアスな印象です。
ラストでヒッチハイクして捕まえたドライバーが冒頭でスーツケース持ち逃げしたのと同一人物の男だったんですね。
で、そこでかかる曲がスージー・アンド・ザ・バンシーズのNew Skinなんですが、これがなんとも士気を上げる曲でして、シリアスな後半からまた新たな旅に向かうノエミの懲りない(?)性格と今後の展開(また同じようなことになる?)を暗示しているようで、まぁでもポジティブな展開だから好きですね。
道路沿いに「ノエミ・マローン 女神」なんて看板があったりして。
すっかりベガスの有名スターに成り上がったのにすべてを捨ててナイフちらつかせてスーツケースを取り戻そうとするところといい、演出が漫画チックというかギャグっぽいです。
ぜんぜんワースト賞じゃないサントラ
ダンスショーでの曲は調べてもわからなかったのですが、挿入歌に有名なのが多いです。
私この映画のサントラ士気が上がるのでもともとかなり気に入ってたんですよ。
New Skin に似た感じの曲でプリックのAnimal
デヴィッド・ボウイ I’m Afraid of Americans
キリング・ジョーク Hollywood Babylon
激しく勢いのあるロックが激しい映画の内容にピッタリです。
劇中ではわからなかったのですが、サントラにノーダウトの You Can Do It が入っており
映画の雰囲気に合うなあと思ってました。
この映画の解釈って実は二通りに分かれてる印象もありますね。
ひとつはじゃんじゃんモロ出しちょっと?下品なオッパイ映画、もうひとつは理不尽な世界に立ち向かう逞しい女の子の物語。
男性と女性で見方が違うような気もしますね。
ただ、ひとつ言いたいのは、個人的にフェミニズム的な視点でこの映画を評価するというのは私にはあまり理解できません。
あくまでノエミの、ひとりの個人としての性格が爽快で好きなので、ただそれだけが魅力の映画なのです。
映画界での評価は複雑なジャッジを下されていますが、華やかなステージの裏にあるドロドロしたエゴの世界に嫌気がさした人の物語としてユニークな彩りを放っている作品だと思います。

ショーガール Show Girl
1995年 アメリカ 128分
監督 ポール・バーホーベン
キャスト
エリザベス・バークレー(ノエミ・マローン)、カイル・マクラクラン(ザック)、ジーナ・ガーション(クリスタル・コナーズ)、グレン・プラマー(ジェームズ)、ロバート・デヴィ(アル)、アラン・レインキンズ(トニー)、ジーナ・ラヴェラ(モリー)
内容(あらすじ)
スターダンサーを目指すノエミはヒッチハイクでショービジネスの都ラスベガスにやってくる。しかしそこで彼女を待ち受けるのはドロドロの人間関係と虚飾にまみれた世界だった。
