日本中が大震撼した金曜日の夜、六本木にエルヴィスを観に行きました。
なんか知らないけど入口の階段のところとか誰も人がいなくて全体に見てもガラガラの部類でした。
どこの映画館でもいつものことですけど始まってからちょろちょろと会場に客が入ってくるんですよね。あれ、ちょっと嫌なんですけど。自分ならぜったいギリギリとか始まってからには行きません。
彼より前には誰もいない
エルヴィス・プレスリー (Elvis Aron Presley) といえばビートルズよりも前にロックンロールをやった(始めた)白人であり、それ以前にはいない始祖のような存在であり、あのジョン・レノンが憧れたという正真正銘の元祖ロックミュージシャンです。
そりゃそうだろう、ビートルズが影響されてないわけないと思いますね。
プレスリーのコスプレしてるみたいなジョン・レノンの有名な写真ありますよね。
中学時代、英語の授業でカーペンターズをよく聴かせられたのですが、「古臭い」と言ったら同級生が「だって昔の人だもん。」と言っていたことがありました。
「昔の人だから古臭い」という考えに妙に納得できなかったのですがなぜだろうと考えてみると、カーペンターズよりもっと古いはずのビートルズやプレスリーは古臭いと思わないことに気づいたんです!
つまり活躍していた時代は関係なくて私が言いたかった「古臭い」というのはぶっちゃけ「ダサい」ってことだったのかなと思いますね。言葉は悪いですけど。
カーペンターズは日本では有名ですが本国アメリカや欧州ではそんなに人気がないみたいです。(郷愁を感じさせるのんびりしたメロディーが日本人好みであり、女性ボーカルの英語の発音がわかりやすいからというのもありそうですね。エブリ~♪シャラララ~エブリーウォウウォウとか)
それに比べて、本当にカッコいいものというのは年月がどれだけ経っても褪せないものなのだという証明のような存在がエルヴィス・プレスリーです。
それが初めての存在だというんだからさらに驚きです。
ロック界のビッグバンと寄り添う悪徳マネージャー
エルヴィスってもともと太りやすそうなタイプで顔に肉がついてて余白が広いせいか口がちっちゃく見えますよね。
衣装で隠してる感じがするので写真や動画で見るよりも実際はもっと太ってたんじゃないかと思います。
オースティン・バトラー (Austin Butler) はエルヴィスにはそんなに似てなくて線の細さが目立ちましたがパフォーマンスの徹底さでカバーできていたという印象です。
オーラや雰囲気の再現度は抜群で、「ロケットマン」のタロン・エガートンや「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックなどと比較してもぶっちぎりの役作りです。
でもこの映画でいちばん光っていたのは若いエルヴィスを見出だし生涯見守って(監視して)いた悪名高きマネージャーのトム・パーカーを演じた トム・ハンクス (Tom Hanks) だと思いますね。
エルヴィスの才能を鋭く見抜き、家族経営のマネージメントでデビューさせることを納得させるシーンは迫力がありました。
ロック界のすべての始まりですね。
しかし長い映画なのはわかっていましたが3時間近い映画を夜遅く観るのは久しぶりなのでこちらも体力いるなと思いました。
そしてエルヴィスの武勇伝を眺めているうちに安倍元首相のことがちらつき…
ラストで「エルヴィスはもういない」の字幕が出ましたが、「安倍元首相はもういない」とも思いました。
基本的にライブのシーンが続くのですが、エルヴィスを見てキャーキャー言う観客役たちの演技がちょっとわざとらしい感じに見えたのですが50年代・60年代のファッションやヘアスタイルが華やかでした。
黒人入場お断りで白人だけのライブ会場なんてあったんですね。たぶん日本人もお断りでしょう。すごい時代です。
エルヴィスってセンセーショナルな存在ですが性格はなんとなく天然というか飄々として自然体で野心に溢れているという印象もありませんし、ごく普通の家庭に突然生まれた本物の天才肌だったのでしょう。
そういえばエルヴィスの娘リサ・マリーはマイケル・ジャクソンと結婚したことで有名でしたね。
そしてその息子、エルヴィスの孫にあたるベンジャミン・キーオが2020年に27歳で自殺しています。
ラヴ・ミー・テンダーや監獄ロック、ハウンド・ドッグなどの有名曲をリリースし、音楽活動以外にも数多くの映画に出演したプレスリーですが、最期は大量の薬物(もんのすごい多種類です)によって亡くなってしまいます。
昔、「過食症になりドーナツの食べ過ぎで1日5万カロリーを摂取した挙げ句死亡した」という情報を見たことがあるのですが、今回の映画ではそのことは出ていませんでした。
ドーナツじゃなくてピーナツサンドの中毒だったという説も有力だったみたいですけど、いずれにしても過食もあったようです。
どこのドーナツなのか気になるんですけどミスタードーナツのクリスピークリームドーナツだという話もありさすがアメリカだなとも思いますが。
「ムーラン・ルージュ」や「華麗なるギャツビー」のバズ・ラーマン特有のギラギラ・ピカピカした感じの演出、けっこう個性的ですよね。
今回の映画は冒頭に出てくるワーナーブラザーズのマークがすごくピカピカしていることでも話題になっています。
エンドロールもデコラティブな背景が印象的でした。
個性的なロックが揃うサントラ
サントラにはエミネムなどが参加していますが、
The King and I (From the Original Motion Picture Soundtrack ELVIS) · Eminem · CeeLo Green
特筆したいのはイタリアのバンド・マネスキン (Måneskin’s ) が参加しているんですね。
If I Can Dream (明日への願い)
エルヴィス・プレスリーの同名曲のカバーですね。
流麗なビジュアルに加えグラマラスな歌唱ながら個性的なロックなので前から注目していました。
とにかくマネキンのようなヘアメイクとクールな見た目が目を惹くバンドです。
最初見たときマジで人形かと思いましたよ。
私がおすすめするマネスキンの曲はコレかな。
「ン、マ・マ・マ・マ・マミ~ア!!」ってノリがよくてダンスフロアでも映えそうなロックです。
「They ask me why I’m so hot, ‘cause I’m italiano」
翻訳機にかけてまっ直訳すると「彼らはなぜ私がそんなに暑いのかと私に尋ねます、なぜなら私はイタリア人だからです」だって。日本のほうが暑いんじゃね?
ま、これは冗談ですけど全体にイタリアらしく情熱的ながらも大ざっぱで間の抜けた能天気な歌詞・曲だと思いますね。
こんなにハイテンションになってるから逮捕したがるけど酒も呑んでないし薬もやってないよ~みたいな内容です。
つまり「イタリア人は素でこんだけ熱いんだッ!!!」と言いたいんですね。
ていうかPVも気合いが入りすぎてますね、色んな意味で。
クールなルックスに似合わぬ暑苦しさを感じさせるところもマネスキンの魅力です。
そして私が前から個人的に気に入っているアルバムはこれですね。
エルヴィスの甘くロマンティックなボーカルを存分に味わえるデビューアルバムです。
ビートルズやローリングストーンズやクイーンが現れる前にこんなに完璧なロックを生み出す華やかな存在がいたことを、3年に渡る役作りを経て演じる新星・オースティンのステージパフォーマンスを観ながら存分に理解できる映画です。
音楽好きなら絶対観ましょう!!

エルヴィス Elvis
2022年 アメリカ 159分
監督 バズ・ラーマン
キャスト
オースティン・バトラー(エルヴィス・プレスリー)、トム・ハンクス(トム・パーカー)、オリヴィア・デヨング(プリシラ・プレスリー)、ケルヴィン・ハリソン・Jr(B.Bキング)、コディ・スミット=マクフィー(ジミー・ロジャーズ)、ヘレン・トンプソン(グラディス・プレスリー)、リチャード・ロクスバーグ(ヴァーノン・プレスリー)、デイカー・モンゴメリー(スティーヴ・ビンダー)
内容(あらすじ)
1954年にデビューしたエルヴィス・プレスリーはそのセンセーショナルなパフォーマンスと存在感から全世界の若者たちに熱狂的に支持される。しかし一方では多くの誹謗中傷などの被害に晒されることになったエルヴィスは常に警察の厳重な監視下でライブを行うこととなり、マネージャーのパーカーは彼に忠告を与える。


