“Delicatessen” est un film avec une acoustique et une musique uniques qui ne quitte jamais mon cerveau.
“Delicatessen” is a film with unique acoustics and music that never leaves my brain.
古道具屋的な世界観・・・でも近未来だよね?
1990年前後ってなんとも小洒落た映画、とくにフランス映画が多かった気がします。
まだそういうのを上映するミニシアター系などの映画館に一人で足を運んだりするような年齢ではなかったのですが、密かに憧れていた記憶があります。
そういった系の有名な映画のひとつに デリカテッセン (Delicatessen) があります。
デリカテッセンって肉屋とか総菜屋の意味じゃないですか。
きっとそういう店が舞台なんだろうなと思いつつ、いまいちどんな作品なのか想像つかない映画でした。
今回観たのは三回目くらいになりますが、最初に観てみた時はちょっと意味がわからなくて、三メートルくらい離れたテレビで観たというのもありますが、映画の中の白黒テレビの中でハワイアンの女性がフラダンスを踊っているシーンがいちばん印象に残っていました。
ブラウン管の白黒テレビが頻繁に出てきたり、世紀末、最終戦争から15年後のパリが舞台というわりには何故か60年代みたいな雰囲気にしか見えません。
というかこの映画自体、ブラウン管のちっちゃいテレビで観てみたいなと思います。
なんか古道具屋みたいな不完全な世界観で観たくなる作品なんです。
しかし、この映画全体の赤茶っぽいチョコレートみたいなセピアの色彩がなんともいえず美しく、パリの下町っぽい雰囲気ながら時おり映される屋内の部屋の一角とか廊下の一部とかが西日に当たっているようなショットがノスタルジックでホッパーの絵画のように見えて気に入っています。
とにかく印象的なサントラと効果音
この映画のサントラはアルゼンチン出身のフランスの作曲家 カルロス・ダレッシオ (Carlos D’Alessio) によるエレクトロニカ調のメルヘンな音楽を中心に構成された秀逸で独特な一枚です。
第一曲目のチャ・ラ・ラ、ラ~🎵って音程が下がっていくピアノからしてもう・・・
ベッドの修理を頼まれた ドミニク・ピノン (Dominique Pinon) 演じるルイゾンと店主の愛人と二人で
「古いし使い込んでますね」
「きしみ音が嫌で」
なんて言い合いながらハワイアンに合わせちゃうこの時の二人が動きも表情もなんともコミカルですね。
その二人で「Tika Tika Walk」踊ってる時の顔、ほんとに楽しくて面白くてしょうがないって顔してるじゃないですか。
特に店主の愛人のほう。
このサントラでも一番有名な曲です。
一度聴いたら忘れられないメロディーラインです。
ドミニク・ピノンってこの作品以降ジュネ作品で大活躍でして、アメリでトイレで店が揺れるほどの衝動的な✖✖✖をした役でも有名です。
サントラ4曲目の Baiser Sous L’eau などは、猛暑の中で聴けば涼しさが味わえるクールでちょっと不気味な曲です。
おとぎ話的なメロディの中にもいい感じの薄気味悪いクールさがあるサントラなんですよね。
映画の中ではベッドの軋む音やノコギリの音、布団たたきの音、自転車の空気注入、メトロノーム、屋根塗り、調子外れのチェロ、などが悪夢のように強調されて使われ、脳内でリフレインされるようになっています。
眼鏡を取ると相当な美人な肉屋の娘ジュリーもルイゾンの身長の低さとも相まってなんだかデフォルメされたようなキャラに見えます。
出演者の顔も特殊メイクでもしてるんじゃないかみたいに個性的に見えるんですけど、すべてが表情の作り方と演出に独特のものがあるからなんですね。
個人的にグロテスクでナンセンスなところがハーモニー・コリンの「ガンモ」に共通するようにも見えるんですが。
実はすっごい危ないあらすじをこんなかわいく美しくファンタジーみたいに描いちゃってる風刺的なところが魅力です。
そしてどこをとってもあのテラコッタのような独特の赤茶色。
観た後しばらく夜に部屋を間接照明だけにしたりすると「Tika Tika Walk」が脳内で流れるシュールな現象に浸れます。
ラストは因果応報みたいな感じで健全で安心します。
やっぱりこの映画の悪者は肉屋ですもんね。
何から何までありえない世界を、とっても個性的すぎる手法と演技で描いた本作を観て、パリに対するカオスな芸術的イメージがまた新たに増した気がします。
デリカテッセン Delicatessen
1991年 フランス 99分
監督 ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
キャスト
ドミニク・ピノン(ルイゾン)、マリー=ロール・ドゥニャック(ジュリー)、ジャン=クロード・ドレフュス(肉屋)、カリン・ヴィアール(メレ・プリュス・肉屋の愛人)、ティッキー・オルガド、シルヴィ・ラグナ、ハワード・ヴェルノン
内容(あらすじ)
最終核戦争から15年。生き残った人々が食料を奪い合うパリの町はずれのデリカテッセン(肉屋)に職を求めてルイゾンがやってきた。ところがここの店主は人をおびき寄せては肉にして売ってしまう恐ろしい商売をしていた。デリカテッセンの上の階はアパルトマンになっており、住人たちも何れ劣らぬ強烈なメンバーだった。